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養子の子の代襲相続権
Q 私の父は、既に亡くなっていますが、生前に養子縁組をしており、養子となっていました。先日、その養親が亡くなりましたが、養子の子である私は、養親の遺産を相続できるのでしょうか?
A 結論から申し上げますと、養子の子であるあなたが、養子縁組の後に生まれたのであれば、養親の遺産を相続することができ、養子縁組の前に生まれていたのであれば、養親の遺産を相続することはできません。
被相続人に子がいる場合は、その子が相続人となります。その子が被相続人より先に死亡している場合で、その子に子(被相続人から見て孫)がいれば、その子が代襲相続人として遺産を相続することになります。これが代襲相続といわれる制度ですが、この制度が養子縁組の場合にも適用されるのかという問題です。
この点、あなたが養親の直系卑属に当たるのかどうかが問題となります。父の養子縁組の後にあなたが生まれたのであれば、養親の直系卑属に他ならないと解されていますが、父の養子縁組の前にあなたが生まれていたのであれば、父の養子縁組によって、当然にあなたの身分関係に変更が生じると考えることはできませんので、養親の直系卑属に当たらないと解されています。
よって、あなたの出生が、父の養子縁組の前か後かによって、あなたが代襲相続人となり、遺産を相続できるかどうか結果が異なります。
まとめ
養子縁組の後に生まれたのであれば、養子の子は代襲相続人となり、養親の遺産を相続することができますが、養子縁組の前に生まれていたのであれば、養子の子は代襲相続人にはなりませんので、養親の遺産を相続することはできません。