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Vol.69 預貯金口座の調べ方
Q 父は、姉と同居しており、父の財産を姉が管理していました。父が亡くなり、遺産分割の協議を開こうと思うのですが、姉が「父の財産は無い」の一点張りで父の預貯金などの金額を教えてくれません。何か調べる方法はあるのでしょうか?
A 結論から申し上げますと、金融機関に保有口座の有無の照会、取引履歴の開示請求、残高証明書の発行依頼をすればよいでしょう。
ご質問のように、被相続人の財産を一部の相続人が管理し、どこの銀行にいくら預貯金があるのか教えてくれないことがあります。このような場合、金融機関に保有口座の有無の照会をし、もし、保有口座があれば、取引履歴の開示請求、及び相続開始時の残高証明書の発行請求を行います。取引履歴から、過去の取引状況(過去の入出金、相続開始前後の出金など)を知ることができますし、残高証明書で相続開始日の残高を知ることができます。
これらの手続は、相続人の一人から単独ですることが可能です。ただし、金融機関は、相続人であるかどうかの確認を求めてきますので、戸籍謄本等を準備し、自分が相続人であることを証明できるようにしておきましょう。
生前、お父様がどこの金融機関と取引があったのか不明であれば、郵便物、メールなどから検索してみます。また、お住まいの地域の地方銀行や信用金庫などの金融機関に当たってみるのも良いでしょう。
まとめ
金融機関の保有口座の有無の照会、取引履歴の開示請求等は、一人の相続人が単独で行うことが可能です。預貯金等が不明であれば調べてみましょう。