コラム本文
Vol.55 遺言執行者
Q 先日、父が他界しました。父は、遺言書を作成しており、その遺言書の中で私が遺言執行者に指定されております。私は何をすれば良いのでしょうか?
A まず初めに、あなたが遺言執行者に就職(就任)するかどうか判断し、その意思表示をしなければなりません。遺言書の中で遺言執行者に指定されているだけでは、その遺言の執行について何ら権限があるわけではなく、就職することに承諾し、意思表示することで初めて遺言執行者としての任務が開始することになります。意思表示は、すべての相続人及び受遺者に対して行います。
次いで、戸籍関係書類等を取り寄せ、相続人の確定作業を行います。並行して、相続財産の調査を行います。相続人等が現金や預貯金通帳などの相続財産を保管しているようであれば、その引き渡しを受け、遺言執行者の管理下に置き、相続財産の目録を作成します。相続人が確定でき、相続財産の目録の作成が完了すれば、すべての相続人及び受遺者に対して相続財産目録を交付します。
次いで、遺言書に書かれている通りに遺言を執行していきますが、この時、遺言執行の収支を正確に管理するため、遺言執行者の専用口座を作成するのが良いでしょう。
すべての執行が終われば、報告書を作成し、遺言執行終了の報告を行い遺言執行が終了します。
まとめ
遺言執行は、複雑で大変な労力と知識がいる作業となります。遺言執行者に就職したけど、執行が専門的で難しい場合や、忙しくて時間が取れない場合は、専門家へ依頼することをお勧めします。